第三章
自分史上最高のカレー
TOKYO FROZEN CURRYを誕生させたタケムラダイには、もうひとつの思いがあった。
コロナ禍もあって、いまではかつてないほどの需要が生じている冷凍食品であるが、
一般的な人々が目にするのはやはり大手メーカーのものが多い。
もちろん、各メーカーがしのぎを削って開発した冷凍食品には驚くほど美味なものが揃っている。
しかし冷凍食品を作っているのは、それら大手のメーカーだけではない。
日本全国47都道府県、その各地には小さいながらも素晴らしく質の高い冷凍食品を作っている数多の生産者が存在する。
タケムラは、自ら開発した冷凍カレーを、
こうした生産者たちが作り上げる、知る人ぞ知る冷凍食品たちの架け橋にしたいと思った。
いわゆるご当地冷食をカレーのトッピングに用いれば、
相乗効果で新たな食の楽しみ方が生まれるのではないか。
それらを用いてカスタマイズすれば、
食べる者にとって「自分史上最高のカレー」を作り上げることができるはずだ。
タケムラは、このコンセプトを元に三つの柱を立てた。
『主役になる数々の美味しいトッピング』
カレーはあくまで、それらを引き立てるための名脇役であれば良い。
トンカツを乗せればカツカレー、唐揚げを乗せれば唐揚げカレー。
トッピングは何だって構わない。
サクサクに揚げられたとびっきりのかき揚げも、
カレーと合わせることで全く新しいメニューになるはず。
その種類は千差万別、食べる人の数だけ存在する。
タケムラが全国各地を渡り歩いて厳選した絶品のトッピングを乗せ、
ぜひとも自分だけのオリジナルカレーを食していただきたい。
『辛さの調節を可能にする』
辛さの基準は人それぞれだ。
辛口と表記されたカレーを食べたとて、
それがどの程度の辛さとして感じられるかは食べた人による。
だからこそ、TOKYO FROZEN CURRY は唐辛子の辛さを最小限に抑えた。
辛いものが苦手な人はそのままで、辛いものが好きな人は、
その人が満足するまで辛くできるようにするべきだ。
そこで TOKYO FROZEN CURRY では、
後追いで追加することのできる辛味調味料を用意することにした。
もちろん、ただ辛いだけでは意味がない。
しっかりと「美味しい」辛さを持つ素材を吟味して皆様にお薦めする。
そうしてこそ初めて、食べる人にとっての本当に美味しいカレーが出来上がる。
『香りの楽しみ方はひとつではない』
『本来ある味と香りを極力残すために選んだのが、冷凍という製法である。
とことんこだわり抜いて作り出したTOKYO FROZEN CURRY本来の風味は、もちろん十分に味わってほしい。
だが、香りの楽しみ方はひとつではない。
わさび、にんにく、トリュフ、燻製……
世に存在する様々な香りを後から追加して楽しめれば、
可能性は無限に広がる。
TOKYO FROZEN CURRY は、
その楽しみ方ができるよう予め計算して風味を作り出している。
そのため、厳選に厳選を重ねた至高の逸品フレーバーを取り揃えた。
香り高いフレーバーを足すことにより、意外な味覚の化学反応を愉しんでいただけるに違いない。
TOKYO FROZEN CURRY をステージに、
これら三つの柱の演出を自在に組み合わせることで、
人それぞれの無限のレシピが生まれる。
ありとあらゆる「美味しい」が生まれる可能性がここにある。
「カレーはもっと自由でいい」
タケムラダイは、そう断言する。
カレーという料理に決まった形こそあれ、その楽しみ方は十人十色。
既成概念にとらわれる必要など一切ないのだ。
自分の直感を信じ、美味しそうと思ったら試してみること。
その先にはきっと、新しい味覚の未来が待っている。
全国各地で多くの人々に食されるのを待っている数々の冷凍食品たち。
それらをもっと知ってもらい、心から楽しんでもらいたい。
TOKYO FROZEN CURRY が、そのための架け橋となろう。
それこそが、冷凍食品マイスター タケムラダイ の願いに他ならない。